よくあるご質問 | 広域処理情報サイト 【環境省】 -津波による災害廃棄物処理を全国で-
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広域処理とは
必要性について
安全性について:>対象のがれきについて >処理方法について >処理施設の周辺への健康被害は?
そもそも、広域処理ってなんですか?
被災地の復旧・復興の障害となる大量のがれきを迅速に処理するために、全国の自治体にある既存の施設で処理していただくことです。
今回、地震と津波の被害により、被災地の沿岸市町村では、膨大な量のがれきが発生しました。被災地では、がれきを一時的な置き場である「仮置き場」に移動していますが、仮置き場をさらに確保することは地形的にむずかしく、がれきが山積みされ、火災の危険性の高まりや夏場を迎え、悪臭、ハエの発生も予測されるところです。
被災地では現在、既存の施設に加えて、仮設の焼却炉を設置するなどして処理に取り組んでいますが、処理能力は依然として不足している自治体がほとんどです。また、最終処分場についても容量が不足しています。いまから新たに処理施設や最終処分場を建設するとしても、土地の選定、周辺環境への影響調査、設計、建設など、数年単位の年月がかかってしまいます。政府は、震災から3年後の26年3月までにがれき処理を終えるという目標を立てています(がれきの処理指針)。がれき処理が一日でも早く終わるよう、岩手県・宮城県がそれぞれ策定した災害廃棄物処理の実行計画等に基づき、県内での再利用、処理をできる限り行った上で、なお県内での処理が困難と整理されたものを対象とし、広域処理をお願いしています。
実際に受け入れている自治体を教えてください。
最新情報を、環境省の広域処理情報サイトにて公開しています。
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被災県内だけで災害廃棄物の処理はできないのですか?
既存の施設に加えて、仮設の焼却炉を設置するなどして処理に取り組んでいますが、処理能力は依然として不足している自治体がほとんどです。
がれき処理が一日でも早く終わるよう、岩手県・宮城県がそれぞれ策定した災害廃棄物処理の実行計画等に基づき、多くの仮設焼却炉による処理を含め、県内での再利用、処理をできる限り行った上で、なお県内での処理が困難と整理されたものを対象とし、国から自治体に対して広域処理をお願いしています。
災害廃棄物の発生量が同程度の阪神淡路大震災では、被災地域内ですべの災害廃棄物を処理できたのではないですか?
阪神淡路大震災でも、広域処理は行われました。
阪神淡路大震災では、港湾エリアに広い土地があったことと、大阪湾フェニックス計画にもとづく大きな処分場があったために被災地域内で効率的に処理することができましたが、それでも災害廃棄物のうち可燃物の約14%が広域処理されました。また、新潟県中越沖地震でも、発生した数10トンの災害廃棄物を神奈川県川崎市で処理しています。
どうしてそんなに急がなければならないの?
復興事業のさまたげになるばかりか、火災、悪臭、ハエの大発生の原因となるため、一日でも早く処理することが必要です。
生活圏などに散乱していたがれきのほとんどは、現在、一時的な置き場である「仮置き場」に運びこまれていますが、状況は自治体によってさまざまです。仮置き場をさらに確保することが地形的にむずかしく、がれきが山積みされ、火災の危険性が高まっている自治体もあれば、町有地のほとんどが山林であるために限られた民有の平地に仮置き場が設置されている自治体もあります。こうした自治体では、大量のがれきの存在自体が復興事業のさまたげになっていたり、ひいては経済活性化のための企業誘致が滞る要因にもなっています。地元でのがれき処理が雇用を生むという考え方もありますが、処理による雇用は短期間のものであり、本格的な復興事業の中で長期的な雇用を生みだしていく方がのぞましいと考えています。
また、夏に向け気温が上がるにつれて、自然発火による火災の危険性、腐敗による悪臭、ハエの発生などの問題が深刻化します。さらに「積み上がったがれきを見るたびに、あの時のつらい気持ちがよみがえってくる」といった住民の方々の感情は、察するに余りあるものがあります。一日でも早く、仮置場におかれたがれきを撤去・処理するためにも、全国の自治体のみなさまに広域処理へのご協力をお願いしています。
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広域処理の対象になるがれきには、どのような種類がありますか?
倒壊した家屋などから出た柱材や角材などを中心とする木くず、可燃物、不燃物です。
災害廃棄物には、倒壊した家屋や建築物から出た柱材、角材、コンクリート、アルミサッシなどの金属類のほか、畳、ジュータン、衣類、電化製品、家具、布団、マットレスなどの海水をかぶった生活用品、さらには流されてきた樹木や海の中のヘドロなどがありますが、この中で再生利用に適さない木くず、廃プラスチック、不燃物などが広域処理の対象になります。
広域処理されるがれきには、福島のがれきも入っているの?
福島県のがれきは、広域処理の対象ではありません。
広域処理の対象となるのは、岩手県と宮城県で発生したがれき(地震や津波などで発生した廃棄物)です。福島県のがれきは、国の直轄事業・代行事業などにより県内で処理します。
がれきの広域処理は、健康被害の危険性を高めてしまうのでは?
広域処理するがれきは、安全のための基準を満たしたものだけです。
広域処理の対象となるがれきは、放射性セシウムが不検出か、検出されたとしても、処理の過程で健康に影響をおよぼすことのない、低い濃度であることが確認されたものだけです。これらのがれきは、法律※にもとづいて特別な管理が求められる「放射性物質により汚染された廃棄物」とは異なります。環境省では、受入基準や処理方法等を「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理に関する基準等(平成24年環境省告示第76号)」(告示:http://kouikishori.env.go.jp/news/pdf/20120417_standard.pdf、告示の概要:http://kouikishori.env.go.jp/news/pdf/20120417_summary.pdf)として告示しています。
※平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質により環境の汚染への対処に関する特別措置法
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広域処理されるがれきについての、安全性の基準値は?
安全に処分できる基準値として、8,000ベクレル/kgという値を定めています。
8,000ベクレル/kgは、廃棄物を安全に処分するために法律で定められた基準値で、放射性セシウム濃度がこれ以下であれば一般廃棄物と同様の埋立処分ができます。この値はIAEA(国際原子力機関:International Atomic Energy Agency)も認めているもので、埋立処分場で作業する人であっても年間の追加被ばく線量が1ミリシーベルト/年以下になります(1000時間労働を想定)。
廃棄物を燃焼すると放射性セシウムは灰に濃縮されます。この灰が埋立処分できる基準値の8,000ベクレル/kgを確実に下回るように、広域処理の対象となる可燃物の受入基準値も定められています。可燃物の基準値は、焼却する炉の種類によって放射性物質の濃縮率※が異なるため2種類あり、ストーカ炉で焼却する場合は240ベクレル/kg、流動床炉で焼却する場合は480ベクレル/kgです。この基準値をこえなければ、焼却して放射性セシウムが灰に濃縮されても8,000ベクレル/kgを下回るように設定されています。
安全のための基準等を「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理に関する基準等(平成24年環境省告示第76号)」(告示:http://kouikishori.env.go.jp/news/pdf/20120417_standard.pdf 告示の概要:http://kouikishori.env.go.jp/news/pdf/20120417_summary.pdf)として告示しています。
※濃縮率とは
濃縮率は、焼却処理により放射性物質が全量飛灰に移行すると仮定して算出したものです。濃縮率が高いストーカ式の焼却炉では、焼却炉に対する飛灰の発生量は3%程度であることから、濃縮率は33.3倍と仮定しています。流動床炉の飛灰の発生量は6〜7%程度であることから安全側の6%の場合の濃縮率を仮定し、濃縮率を16.7倍と算出しています。
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がれきを広域処理に送り出す際の、安全性のチェック体制は?
搬出側の自治体で二重のチェックをすることを原則としています。
一つ目は、搬出側の自治体の一次仮置場で、がれきの放射性セシウム濃度を測定します。あらかじめ重機などで十分に撹拌したがれきの山の中で、なるべく均一に分散するように10カ所以上の場所から採取したサンプルで廃棄物の種類ごとに確認します。
二つ目は、搬出側の自治体の二次仮置場からがれきを県外に搬出する際に、がれき全体の周辺の空間線量率※を測定します。がれきがない搬出側の場所の空間線量率よりも有意に高い値が出ていないことを確認します。
※空間線量率とは
対象とする空間の単位時間当たりの放射線量を空間線量率といいます。
災害廃棄物を県外に搬出する際に、線量計で当該廃棄物全体を対象に周辺の空間線量率を測定し、バックグラウンドの空間線量率より有意に高くなるものがないことを確認します。このように災害廃棄物のサンプルの放射能濃度測定に加え、当該災害廃棄物全体の空間線量率も測定することにより、二重に安全性の確認を行います。
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がれきを燃やすときに、セシウムなどの放射性物質が大気中に出てしまうのでは?
放射性セシウムは、高性能の排ガス処理装置でほぼ100%除去できます。
がれきを焼却する施設には、排ガス中の微粒子の灰を除去する高性能の排ガス処理装置(バグフィルターや電気集塵機など)がそなわっています。焼却後の排ガスは冷却室で冷やされることにより、放射性セシウムが微粒子の灰に付着するので、排ガス処理装置で除去することができ、大気中への放射性セシウムの放出を防ぐことができます。セシウムについて、バグフィルター付きの焼却炉で99.92〜99.99%、電気集じん機付きの焼却炉で96.65〜99.62%の除去率を確認しています。実際に放射性セシウムを含む廃棄物の焼却が行われている多くの施設における測定の結果、排ガス中の放射性セシウムの濃度は不検出または極めて微量という結果が出ています。
バグフィルターってなんですか?その性能についても、くわしく教えてください。
バグフィルターとは、焼却施設の排ガスを大気に放出する前に、排ガス中の微粒子を除去する装置です。
排ガス中の灰の平均的な大きさは数10ミクロンです。バグフィルターは0.1ミクロンレベルまでの微粒子を除去可能な装置であり、ほぼすべての灰を除去することができます。
セシウムの沸点は約650℃なので、がれきを燃やすと、がれきに含まれているセシウムは気体になって排ガス中に含まれます。ただし、排ガスはバグフィルターの手前で200℃以下に冷やされるため、排ガス中のセシウムは気体から固体に戻り、排ガス中の灰に付着します。この微粒子の灰がバグフィルターで除去されるため、大気中へのセシウムの放出を防ぐことができます。
静岡県島田市が2月に行った岩手県山田町の災害廃棄物(木くず)の試験焼却の結果について、「10万ベクレルが行方不明」「バグフィルターによる放射性セシウム除去率50〜60%」といった指摘がありますが、本当でしょうか?
本当ではありません。
「10万ベクレルが行方不明」「バグフィルターによる放射性セシウム除去率50〜60%」との御指摘は、様々な仮定を置いて計算された結果ですが、その仮定には適切ではないものが含まれています。例えば、煙突出口の排ガス測定結果が検出限界以下であったものを、検出限界ぎりぎりまで排出されているという仮定を置いています。
島田市の調査結果からバグフィルターによる正確な除去率を求めることはできませんが、煙突から排出される排ガスの放射性セシウム濃度は検出限界未満※1となっています。安全性の目安となる値(排ガス:セシウム134は20ベクレル/m3、セシウム137は30ベクレル/m3、焼却灰は8,000ベクレル/kg)を大きく下回っており、安全性の面で全く問題ありません。また、排ガスのばいじん濃度も定量下限(0.004〜0.005g/m3N)未満であり、バグフィルターのばいじん除去性能が正常に働いていることが確認されています。
バグフィルターによる除去率を正確に求めるためには、バグフィルターの前後で排ガス中の濃度を、検出下限値を大幅に下げて測定する必要があります。環境省が行った別の調査結果によれば、除去率が99.9%以上と計算されています※2。
詳しくは、「島田市の試験焼却データに関する見解について」をお読み下さい。
※1
1号炉:Cs134(ろ紙部0.46Bq/m3、ドレン部0.98Bq/m3)
1号炉:Cs137(ろ紙部0.41Bq/m3、ドレン部1.1Bq/m3)
2号炉:Cs134(ろ紙部0.38Bq/m3、ドレン部1.3Bq/m3)
2号炉:Cs137(ろ紙部0.33Bq/m3、ドレン部1.4Bq/m3)
※2 第11回災害廃棄物安全評価検討会資料9(最新の資料)
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受け入れ先の自治体で試験焼却をしているところがあるそうですが、試験焼却では何をチェックするのですか?
試験焼却では、排ガス中の放射性セシウム濃度が安全な水準であること、焼却灰の放射能濃度が問題なく埋め立てられるレベルであることなどをチェックします。
人の健康に影響を及ぼすことのない程度であることを実際の処理に準じて確認するために、被災地のがれきを受け入れる自治体において試験的に焼却し、排ガスや焼却灰などに含まれている放射性セシウム濃度などを測定しています。試験焼却の詳細な方法と測定項目は、各自治体が決めています。
平成24年2月に静岡県島田市が行った、岩手県山田町のがれき(木くず)の試験焼却では、焼却炉の煙突から排出される排ガスと溶融飛灰の中の放射性セシウム濃度が測定されました。その結果、排ガス中の濃度は検出限界以下、飛灰中の濃度は96ベクレル/kgでした。この値は、安全性の目安となる値(排ガス:セシウム134は20ベクレル/m3、セシウム137は30ベクレル/m3、焼却灰は8,000ベクレル/kg)を大きく下回っており、問題のないレベルであることが確認されました。さらに、これ以外の項目についても測定されましたが、スラグ中(放射性セシウム不検出)、メタル(放射性セシウム不検出)など、いずれも問題はありませんでした。
静岡県島田市のHPへのリンク:http://www.city.shimada.shizuoka.jp/kankyou/sisetu/gareki_top.jsp
このほかの自治体でも試験焼却を行い、焼却しても問題ないことを確認したうえでがれきを受け入れています。たとえば東京都と東京23区清掃一部事務組合では、平成24年1月に宮城県女川町のがれきについて試験焼却を行い、問題のないことが確認されています。
東京都のHPへのリンク:http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/resource/disaster-waste/index.html
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被災地から受入先の市町村までがれきを運ぶ人は安全なの?
廃棄物処理法に基づき、飛散防止等の措置を講じているため、安全に運搬可能です。
環境省が示したガイドラインに基づき広域処理を行う場合には、以下の理由から安全に搬入経路の通過を行うことができると考えます。
(1) 広域処理を行う場合は、廃棄物処理法に基づき、飛散流出防止等により生活環境に影響が生じないような措置が講じられることとなります。
(2) また、広域処理の対象となる災害廃棄物は、放射性セシウム濃度が不検出又は低いレベルのものであり、廃棄物処理法の規定に基づく運搬を行うことにより、運搬時の周辺居住者が受ける放射線量は極めて小さいと見込まれることから、安全に運搬可能です。
燃やした灰などは、どのように処分されるの?
通常の生活ごみを燃やした灰と同様に、一般廃棄物の最終処分場で埋立処分されます。
埋立処分される灰は、放射性セシウム濃度が8,000ベクレル/kg以下のものです。8,000ベクレル/kgは、廃棄物を安全に処分するために法律で定められた基準値で、これ以下であれば一般廃棄物と同様の埋立処分ができます。この値はIAEA(国際原子力機関:International Atomic Energy Agency)も認めているもので、埋立処分場で作業する人であっても被ばく線量が1ミリシーベルト/年以下になります(年間1000時間労働を想定)。
さらに埋立処分が終了すると、処分場の上部を厚さ50cm以上の土で覆います。これにより放射線の99.8%をさえぎることができるため、処分場周辺にお住まいの方がうける放射線量は0.01ミリシーベルト/年以下になります。日本の自然の放射線量は、平均で1.48ミリシーベルト/年なので、この影響は無視できるほど十分に小さいことがおわかりいただけると思います。
がれきを燃やしたあとの灰を埋め立てると、セシウムなどの放射性物質が地下水にしみ出たりしませんか?
放射性セシウムの流出などを防ぐ埋立方法のため、地下水への影響はありません。
広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、一般廃棄物として通常通り処理していただけるものです。
また、焼却処理後の主灰については、放射性セシウムが水に溶出しにくいことが確認されています(溶出率5.6%;第9回災害廃棄物安全評価検討会 資料4-1参照)。飛灰については、放射性セシウムが水に溶出しやすい特徴があることが確認されていますが(溶出率64.1%;同上)、放射性セシウムは主灰中のものについても、飛灰中のものについても、同様に土壌に吸着されやすいという特徴があります。
そのため、焼却灰を埋め立てる際には、まず土壌層を敷き詰めること等により、より安定的に管理することができます(平成23年9月21日付け事務連絡「廃棄物最終処分場における焼却灰等の埋立処分について(注意喚起)」参照)。
広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低いものであるため、土壌層で十分吸着できると考えられます。また、万が一、最終処分場の浸出水に放射性セシウムが検出された場合には、ゼオライトに吸着させることにより、排水処理を行うことが可能です。
一方、災害廃棄物の処理における安全評価については、周辺住民が埋立終了後に受ける線量が年間0.01mSvとなるときの災害廃棄物の放射能濃度を、シナリオ評価により試算しています。ここでは、200m×200m×深さ10m = 40万m3の処分場に55万トンの災害廃棄物をそのまま埋め立てるという埋設処分シナリオを仮定しています。その結果、地下水経由の被ばく経路では影響が最も大きい「地下水利用の農作物摂取」でも、年間0.01mSvの追加被ばくに相当する災害廃棄物の放射能濃度は46,000Bq/kgと試算されました。
広域処理の対象としている災害廃棄物やその焼却灰の放射能濃度は、8,000Bq/kgを大きく下回る濃度になると考えられることから、地下水経由での健康への影響は無視できるレベルと考えられます。
広域処理することで、受け入れ先の住民の追加被ばく線量はどうなるの?
処理の工程で受ける年間放射線量は1ミリシーベルト以下。埋立終了後の年間放射線量は0.01ミリシーベルト以下となり、健康影響は無視できるレベルです。
被災地から送られてきたがれきを保管し、焼却し、埋め立てるという全工程において、その作業に従事する人(8000ベクレル/kgの放射能濃度のがれきや灰の最も近くにいる人が1000時間労働した場合)が受ける年間放射線量が1ミリシーベルト/年を下回ります。広域処理の対象となるがれきは、放射性セシウムが不検出か、検出されたとしても、処理の過程で健康に影響をおよぼすことのない、低い濃度であることが確認されたものだけです。1ミリシーベルト/年は、一般公衆が受ける年間線量の限度として定められた値です。周辺の住民は、がれきや灰からの距離が作業従事者よりも離れているため、被ばく量はさらに少なくなります。
日本の自然の放射線量は、平均で1.48ミリシーベルト/年なので、この影響は無視できるほど十分に小さいことがおわかりいただけると思います。
※焼却灰の埋立終了後は、処分場の上部を厚さ50cm以上の土で覆うため、処分場周辺にお住まいの方がうける放射線量は0.01ミリシーベルト/年以下になります。
がれきの放射能濃度が基準値以下でも、大量に受け入れて処理した場合、健康被害がおこったりしないか心配です。
大量のがれきを受け入れ、焼却し、その焼却灰を埋め立てたとしても、健康被害をおこすような追加被ばくはありません。
仮に埋立容量が40万㎥の処分場全体に8000ベクレル/kgの災害廃棄物の焼却灰55万トンを埋め立てた場合について、その処理工程における作業員や周辺住民が受ける被ばく線量および放射線量を計算したところ、年間1ミリシーベルト/年以下となります。
また、焼却灰の埋立終了後は、処分場の上部を厚さ50cm以上の土で覆うため、処分場周辺にお住まいの方がうける放射線量は0.01ミリシーベルト/年以下となり、健康への影響を無視できるレベルです。
受入れを行っている自治体の受け入れ量など:http://kouikishori.env.go.jp/results/pdf/20120418c_jichitai.pdf
安全性の基準はセシウムでつくられていますが、ストロンチウムやプルトニウムなど他の放射性物質は調べなくていいの?
がれきの安全性を評価するにあたり、セシウム以外の放射性物質の影響は放射性セシウムにくらべて非常に小さいことから、放射性セシウム濃度を基準にしています。
福島第一原発周辺の放射性物質の拡散状況の測定結果、また、福島県内の焼却施設における排ガスや焼却灰の測定結果から、セシウム以外の放射性物質の影響は、放射性セシウムにくらべて非常に小さいことがわかっています。よって、事故由来の放射性物質に汚染された廃棄物の処理にあたっては、放射性セシウムの影響に着目して安全評価基準をつくっています。
<参考1>
文部科学省によるプルトニウム、ストロンチウムの核種分析によって、福島第一原発から80km圏内におけるプルトニウム238、239、240およびストロンチウム89、90の拡散状況が確認されました。その結果、「セシウム134、137の50年間積算実効線量(50年間被ばくし続けた場合の積算線量)にくらべて、プルトニウムやストロンチウムの50年間積算実効線量は非常に小さいことから、今後の被ばく線量評価や除染対策においては、セシウム134、137の沈着量に着目していくことが適切である」とされています。
「プルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について」(平成23年9月30日文部科学省)
<沈着量の最高値が検出された各箇所における50年間積算実効線量>
セシウム134: 71ミリシーベルト
セシウム137: 2000ミリシーベルト
プルトニウム238: 0.027ミリシーベルト
プルトニウム239+240: 0.12ミリシーベルト
ストロンチウム89: 0.0006ミリシーベルト
ストロンチウム90: 0.12ミリシーベルト
(参考)日本の平均一人当たりの年間放射線量 1.48mSv/年
<参考2>
福島県内の一般廃棄物焼却施設において、生活ごみのみの焼却を行っている状態、および生活ごみと災害廃棄物を混焼した状態で、焼却灰・排ガス等の放射能濃度を測定した結果、ヨウ素131、ヨウ素132、テルル129m、銀110mについては、セシウム134、セシウム137に比べ安全面での影響が十分に小さいものでした
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8,000ベクレル/kgという基準以外に、100ベクレル/kgという基準もあると聞きました。違いについて教えてください。
8,000ベクレル/kgは「廃棄物を安全に処理するための基準」であり、100ベクレル/kgは「廃棄物を安全に再利用できる基準」です。
8000ベクレル/kgという基準は、埋立終了後に処分場の周辺にお住まいの方が受ける年間放射線量が0.01ミリシーベルト/年以下になり、かつ、災害廃棄物の処理・処分において、最も被ばくすると想定される人(廃棄物の埋立処分などに従事する作業員が年間1000時間作業した場合)でも、その年間被ばく線量が、一般公衆の線量限度である1ミリシーベルト以下になるように設定された数値です。
100ベクレル/kgという基準は、災害廃棄物を再利用した場合、その製品などによる年間被ばく線量が0.01ミリシーベルト/年以下になるように設定された数値です。
自分の自治体が知らないうちに、勝手にがれきが運び込まれてしまうことはありませんか?
ありません。がれきが発生した市町村以外でがれきを処分する場合には、搬出側の市町村から受入側の市町村へ事前に通知を行うことが必要です。
なお通知は、口頭ではなく書面で行うことが、「一般廃棄物の処分等の委託基準の遵守等について」(平成13年8月23日付け環廃対325環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長通知)にて示されています。
受け入れたがれきを処理する過程で、基準値をこえる放射能濃度が検出された場合は、どうするの?
国が責任をもって処理します。
広域処理の対象としているがれきの放射性セシウム濃度は、不検出または低いレベルのため、焼却灰に濃縮されても8,000ベクレル/sをこえることはありません。しかし万が一、8,000ベクレル/sをこえた場合は、放射性物質汚染対処特措法にもとづいて指定廃棄物に指定し、国が責任をもって処理します。
がれきを受け入れたことで風評被害にあった場合、政府は責任をとってくれるの?
風評被害については、未然防止に最善をつくします。
がれきの広域処理の対象としているのは、放射性セシウム濃度が不検出または低いものに限っており、科学的にも安全に処理できることが確認されています。
このため、本来は風評被害が生じるような性格のものではなく、環境省としても、安全性について説明に万全をつくします。また、放射線量の測定データなど、各種メディアを活用した積極的な広報、がれき受け入れの先行事例における実績の情報発信など、広報活動を進めているところです。万が一、風評被害による損害が生じた場合は、ご相談のうえ、国として責任をもって、これを回復するための可能なかぎりの対策を講じます。
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